VX-7を修理する

再開局にあたって、無線機やアンテナをいろいろ考えているが、唯一手元にあるVX-7を使えるようにしよう。

かなり昔の再開局時の申請時に、オークションで入手したVX-7だったが、購入時から「FMラジオは聞こえるけど、他は全然聞こえないなぁ、、」とは思っていた。
あくまでコールサイン保持の為だけの入手だったので、特に不調については追及せず、放置のままだった。
そして、ある時、「使ってみようかな?」と思って引っ張り出したら、バッテリーが充電できず、ACアダプタから給電しないと電源ONもできずになっていて、ますます遠ざかっていた。

すでにメーカーでは修理部品の枯渇により、修理対応は行なっていないそうなので、自分で直すか?、新しい無線機を買うか?の二択。
でも、今や50/144/430MHzの3バンドのハンディ機なんてどこのメーカーでも作っていない。
あと、結構、VX-7のデザインや質感は個人的にも気に入っているので、「やっぱり、やるだけやってみて、ダメだったら新しいの買おう」と、修理にチャレンジする事にした。

このVX-7の受信不良についてネットで調べてみると「セラミックフィルタの故障」というキーワードが多くヒットする。
経年劣化で中間周波数である450kHzのセラミックフィルタが壊れる。それが原因で受信感度が極端に落ちたり、スケルチが効かなくなるらしい。

早速、Amazonで部品を買って修理にトライ開始である。

目次

セラミックフィルターの購入

LTM450の購入

今回、ネットの記事を参考に購入したのは、以下の部品。
LTM450という、セラミックフィルター。

VX-7は二波同時受信できるので、このフィルターが2つ使われているらしい。よって、2個あれば十分なのだけど、amazonでは5個セットでしか売っていないみたい。

まぁ、失敗するかも知れないし、もしもこの部品使ってあっさり直るなら、オークションに同じように受信不良で出品されているのを探して、さらに手に入れて直すのも悪くない。(実は、使っていないのにも関わらず、VX-7はお気に入りなので、サブ用にもう一台黒い筐体のも欲しかったりする。)

5個で2,000円しないのだから、まぁ、いいか。。

なお、このamazon出品者は海外で、「税関手続き遅れ」で最初に書いてあったお届け日よりも一週間ほど到着は遅くなった。

到着

で、届いたのがブツが以下の写真。

こんな感じ。

一応段ボール箱に入っているけど、袋は「よれよれ」。まぁ、こんなものでしょう。

安定の中華梱包、そして部品のフィルターもなんか製造時期も場所もバラバラ?、表面の部品名のプリント色の濃さもバラバラ?で動くのだろうか?

ちょっと不安はあるが、とにかく付け替えてみない事には何も進展はないのです。。

vx-7を分解する

開腹

元々、この無線機は「水深1mに30分沈めておいても大丈夫」という防水が自慢のアウトドア無線機。分解すると、当然パッキン等に影響もあるだろうから、そこは自己責任で分解する。
まぁ、修理失敗したら、それまでだからどうでもいいです。もしも修理成功したらパッキンのし直しとかをちゃんと考えようかな、、(しないと思う)

ボリュームダイアルとマイク端子保護のゴムカバーを外した後、本体裏面の上部2本、そしてバッテリーパックを外した本体内側の4本のネジを外して、本体を開腹する。

フラットケーブルに注意しながら、おそるおそるの開腹。

よくよく見ると、ネジには小さいながらも、しっかりゴムパッキンが入っている。
こういう所に「防水です!」と言うプライドを感じて、ニヤッとしてしまう。

ちなみに開腹すると、本体下部にあるバッテリパックの固定爪?がポロリと落ちる。注意が上部のフラットケーブルに行っているので、完全にノーマークであったが、無事回収。

基盤の取り出し

フラットケーブルを外して、中の基盤を取り出すために基盤を固定している6本のネジを外す。

うち2本はシールドケースを共締めしているので一緒に外す。

あと、ボリュームユニットと、マイク端子を本体に固定しているネジがあるので、ネジ上部の切り掛けにマイナスドライバを当てて慎重に回転させて外す。

このあたりを解説しているサイトには「専用工具で外す」と書いてあったけど、そんなの持っている訳ないので原始的なやり方で対応。

なお、この時に「アンテナ端子にネジないけどどうやって外すんだ?」「電源ジャックのユニット部はどうやって外すんだ?」という疑問が湧いたが、結果的には「アンテナと電源ジャックは本体に残したまま、基盤が外せる」のである。

設計・組立を考えた人は本当にすごいと思う。。ほんと、尊敬。

基盤の下部(バッテリーパック側)を起こして、ボリュームユニットとマイク端子を抜く感じで基盤の取り出し完了。

取り出された後の本体内部を見ると、アンテナ端子をはじめ、数箇所が白い防水ゴム?(コーキング剤?)で処理されている。

防水対策が丁寧にされているなぁ、、、これって手作業では?、、感心なのである。

セラミックフィルターの交換

フィルターの液漏れ

取り出した基盤を見てみると、いろいろなサイトに書いてあったのと同じく、セラミックフィルター(TOKO A50FT)が汗をかいたようになっている。

これが劣化による「液漏れ」で、ゆくゆくはそれが乾いて「白い粉を吹いている」感じになるらしい。


つまりは、やっぱり自分のVX-7でも、このフィルターの「劣化による故障」で受信不良が起こっているという事だろう。

試しにティッシュで拭き取ると、確かにコンデンサの電解液のような黒い汚れがしっかりと、、
拭き取った後は、フィルター表面にプリントされている部品名もくっきり見える。

フィルターの交換

2つのフィルターを基盤から外して、今回用意した新しいフィルターに交換する。

書くと簡単に見えるけど、久々のハンダゴテ作業、それも基盤から5本も足のあるパーツを一人で基盤から取り外すのは、かなりのやっかい作業。

ハンダ吸い取り線とハンダゴテで、地道にハンダを除去して2つのフィルターを取り外し、新しいフィルターに付け替えた。

いろいろ苦労したけど、この作業自体は1時間も掛からなかった。

ちなみに古い部品は、基盤から取り外す時にバラバラと崩壊?した。

そんなに強い力を掛けていたとは思わないのだけど、基盤に対して垂直方向に正方形の金属板?みたいな物が幾重にも積層している感じ。

あまり触らない方がいいかも、、っと思ったので、とりあえず記念撮影だけしておいた。

組み直し

あとは分解した手順に沿って、組み直し。

分解開始から組み直し完了まで、多分2時間位で作業完了。内部構造が分からない中、慎重に確認しながら分解したのに一番時間がかった感じ。

動作確認

組み直して、電源ON。

今まで、FM放送、それもJ-WAVE一局しか聞こえていなかったVX-7だったが、
・FM放送は、関東圏で聞こえるFM局が全部聞こえるようになった。
・今まで聞こえていなかったAM局がほとんど全局聞こえる。
ようになった。

でも、50/144/430MHzのアマチュア帯の交信が全然聞こえてこない。。
フィルターの交換だけでは直らなかったのか?と、修理失敗!?っと、ちょっとガックリ。。

しかし、しかし、である。

数日間、時間がある時に家の近所を歩き回って各バンドを聴いていると、50/144/430MHzでちゃんと交信が聞こえる。それも、メインチャネル・サブチャネル両方ともちゃんと聞こえる。
まぁ、フィルター交換をしたので、特定周波数だけが聞こえるようになる、という事はないだろう。

もともと家の中では標準ホイップでは全然聞こえないのだろう。

セラミックフィルターの交換作業は、ちゃんと成功している模様。
受信感度については、正常状態でどの位聞こえてくるのか分からないので、今回の修理でどこまで受信感度が回復したのか分からない。

家にアンテナを立てて、環境が揃った時に「修理成功」を喜ぶことにしよう。。

とりあえず、「成功」とします。


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